スガシカオ珠玉のバラード! ゆる~い楽曲分析 スガシカオ : 月とナイフ

20140613-P6130019_TP_V

こんにちは。今回はスガシカオの隠れた名曲「月とナイフ」について書いていきます。あの村上春樹もこの曲に強い印象を抱いたとエッセイ「意味がなければスイングはない」で書いたそうです。村上春樹はかねてよりジャズなどの音楽が好みであり、JPOPのアーティストについてエッセイの中で1章を割くのはかなり珍しいことだと言えます。

この曲は初期の名アルバム「Clover」に収録されています。他の曲がサウンド面やリズム面でファンク要素が強めなのに対して、この曲はアコースティックギターによる弾き語りでしっとりと聴かせています。ファンクに拘りがあり、それでいて「月とナイフ」のような弾き語りも上手くこなせるため、この1枚のアルバムのみで彼のミュージシャンとしての懐の広さが伺えるような内容となっています。今回はこの楽曲を1.バラードなのにあっさり 2.歌詞 という観点から語っていきます!

1 . あっさりした曲

特徴の1つは、どこかあっさりしているという点が挙げられると思います。それでいて印象に残る曲なので凄いなと感じさせられます。

あっさりしていると感じる理由として、まずは曲の長さが短い点が挙げられます。ふつうバラード調の曲は5分を超えることはザラで、中には7分を超えるような大作もあります。しかしこの曲は3分弱ですぐに終わります。バラード系でここまで短い曲というのをJPOPではあまり知らないです。1つ東京事変の「私生活」という曲が反例として浮かびましたが、それでも3:50とこの曲よりはかなり長いです。

加えてあっさり感じる理由として、全編アコースティックギターによる弾き語りという編成も挙げられそうです。これまでスガシカオの曲をたくさん聴いてきましたが、彼がアコースティックギターの弾き語りのみで録音した曲はそこまで多くありません。わざわざ音源化して永遠に残すので、アレンジ面でも気を遣うはずです。これは仮説ですが、あくまでもこの曲はライブで弾き語ることを想定して書かれた曲であると思います。そして特に、ファンクっぽい曲をライブでたくさんやって、観客が疲れた時に演奏するバラード曲として作られたのだと言えます。そのためアコースティックギターによる弾き語りというアレンジで音源化したのではないでしょうか。しかし、元気な曲調のファンクを好む観客が来るはずなので、しっとりとする時間は他のJPOPのアーティストほどあまり必要ないと言えます。なぜなら、観客はファンクっぽいサウンドを求めてライブに来ていると考えられるからです。こうして比較的曲が短く、アコギによる弾き語りという編成のこの曲が生まれたのだと考えられます。

2.相手への強い想い

この曲が様々な観点から見て、比較的あっさりとしている点はある程度納得して頂けたかと思います。しかしシングルでもないこの曲が、なぜ多くの人の心を捉えて離さないかはまだ明らかになっていません。やはり歌詞がこの点を明らかにしてくれると私は考えます。

実際に歌詞を見ると、この恋人に対する愛や憎悪と言った強い気持ちが表現されていることが分かります。あるブログを見て知ったのですが、この曲は浪人時代の恋愛経験から生まれた曲のようです。このブログは雑誌の箇所を引用しているようですが、読んでみると彼にとっては衝撃的な体験だったそうです。要約すると、彼が本気で好きになった相手は、二股をかけながら元彼と付き合っていて、かといって相手はスパッと別れる気もないといった感じで、恋愛の泥沼にハマっていったそうです。

全体的な歌詞の雰囲気を見ると、とつとつと語るようなその言葉から、彼がどれだけその人を想っていたかが伝わってきます。特に掴みの「ムネをナイフでさいて えぐりだしてもいい」という表現がかなり強烈で、彼女に対する想いの真剣さ、切迫具合、純真さなどが嫌というほど伝わってきます。また「残ればいい」「続けばいい」といった継続の意味と投げやりさを表現することで、恋は一応諦めたがまだその想いに対して決着がついた訳ではない点も伝わってきます。こういった点から、あっさりと終わるのにもかかわらず、歌い手の相手に対する想いの強さや恋愛の切なさが聴いている側にも伝わり、「いつまでもずっとずっと」我々の心に「残る」という逆説的な効果を生み出していると思います。

今回改めてこの曲について色々考えてみて、デビューアルバムでこのクオリティーが出せてしまうという点から、メジャーデビューに向けて相当考えて曲も準備したのだろうなと感じました。

これからもどんどんスガシカオの曲について書く予定なので、どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中