スライドギターが印象的… ゆる~い楽曲分析 The Beatles : Free As a Bird

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今回はThe Beatlesの「Free as a Bird」という曲について書いていきます。日本語にすると、「鳥のように自由に」というイメージでしょうか。これほど曲調と題名がリンクしている曲はなかなかないと個人的に思います。

The Beatlesといえば、イギリスを代表する伝説的なロックバンドで、「Hey Jude」「Help」「Let it be」「Come Together」「All We Need is Love」など挙げたらきりがないくらい有名曲があります。またジャンルを問わず多くの人に愛されているという点でも、かなり珍しい存在と言えます。これはジャズ・フュージョン系のギタリストであるPat Methenyが「And I love her」をカバーしていたり、サックス奏者であるChris Potterが「Yesterday」をカバーしており、こうした例が多く存在しているからです。

こんなにも有名曲が多くあるThe Beatlesの曲の中で、なぜ超有名曲ではない「Free as a Bird」について書こうとしているのでしょうか。

1. 曲の背景・サウンド 2. コード進行

という点からこれから書いていきます。

1. 曲の背景・サウンド

実はこの曲は、The Beatlesが4人で活動していた時期にレコードされた曲ではありません。実際に見ると分かりますが、PVもかなり洗練されたものです。実はこの曲が発表されたのは1995年(日本においては1996年)であり、その10年以上前にThe Beatlesは解散しています(wiki調べ)。更にジョンレノンも、既にこの時には亡くなっております。この曲はジョンレノンが残した音源を元にして、残された3人のメンバーで完成させた曲であります。こちらのブログにも詳細が載っています。

まず初めに耳に飛び込んでくるのが、スライドギターによる印象的なテーマです。音色といいピッチの揺らし方と言い、非常に痺れるかっこよさです。またメロディも非常に覚えやすく、コーラスも3重に乗っている箇所などは重厚感があり、これぞまさにThe Beatles節というポップな楽曲です。

2. コード進行

しかしこの曲の特筆すべき点は、コード進行上の技法にあると思います。いわゆるモーダルインターチェンジと呼ばれるテクニックについてです。

基本的にモーダルインターチェンジとは、主音を起点にして別の調に転調することであると言えます。例えばキーがGの曲がGmになる現象を言います。この技法を取り入れることで、曲の雰囲気をガラリと変えることが出来ます。

この「Free As a Bird」という曲においては、モーダルインターチェンジを極めてナチュラルに使っています。まず冒頭のイントロ部分ですが、

イントロ部

|A→F#m|FMaj7→E7|A→F#m|Dm→E7|

|A→F#m|Dm→G7|C→Am7|E7|

このようなコード進行になっており、基本的にはこの進行が繰り返されます。この曲の最初の調はAメジャーであり、途中からCメジャーに転調する箇所があります。このA→Cの転調部分が、モーダルインターチェンジです。具体的な説明を入れると、AMajからAmへのキーの転換がモーダルインターチェンジですが、Amはスケールの並びを変えるとCメジャーであるため(もしくはAmの平行調がCである)、A→Cはモーダルインターチェンジと言えるということです。

さらにこれに止まらず、間奏部ではより凝った工夫がコード進行にされています。

間奏部

|C→Am|A♭Maj→G|C→Am|Fm→G|

|C→Am|Fm→G|A→F#m|FMaj7→G|

ここは鳥肌ものですね。まずこの間奏部だけCメジャーに転調していて、 前半から使われているA→Cのモーダルインターチェンジの部分です。ここにCメジャーのサブドミナントマイナーキーである、A♭、Fmを使って、前半とは違った浮遊感・懐かしい感じを出しています。そして極め付けは、またサビに戻る時の

|Fm→G|A→F#m|

です!

ここの再び戻ってきた感じが凄いのです!

鳥の動きに喩えるなら、それまで(綺麗な飛び方をしているな)と見続けていた鳥が、突然(間奏部で)目を見張るようなアクロバティック飛行を披露して、見とれている間に再び綺麗な飛び方に自然に戻っていくというイメージです…

かなり個人的な表現なので伝わったかが怪しいですが、初めて聞いた時はこの曲の素晴らしさに感動してしまいました。まるで鳥のように自在にキーを行き来するこの曲の素晴らしさに惹かれて、しばらくリピート再生しまくっていたのを今でも覚えています。

まとめると、モーダルインターチェンジを上手に生かして、タイトルのイメージと曲調をマッチさせることに成功した名曲だと言えるので、ビートルズの中でも特にこの曲が好きなのだなと改めて認識出来ました。もっとビートルズの曲を分析する必要があると感じました。

 

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