どこか切ない隠れた名曲… ゆる~い楽曲分析 東京事変 : 私生活

今回は東京事変の名曲の1つである「私生活」について書こうと思います。

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この曲はアルバム「娯楽」に収録されている曲です。全体的にこのアルバムは都会感が漂っています。例えば「ミラーボール」や「某都民」はまさにディスコで踊ったり、バーでチルっている感が満載で、「メトロ」「キラーチューン」なども都会のきらびやかなイメージだったり洗練されたイメージで溢れています。

その中でのこの曲「私生活」の位置付けは、「都会における日常生活」だと言えます。その生活の単調さは、曲のテンポや構成の単純さによって表現されています。そしてその日常の中にふと現れる昔の思い出、未来への不安や焦燥感を、サウンドやコード、歌詞で表し、上手く1つの曲にまとめているように私は感じます。

1. 編曲・プロデュース力

スローテンポかつカッコいい曲であります。これは個人的な意見ですが、東京事変はミドル・スローテンポの曲の作り方が上手いと思います。理由としては、ベーシストの亀田誠治さんの普段のプロデュース業・編曲の仕事によるものだと言えます。

亀田誠治さんは世の中に流れている多くのJPOPサウンドを生み出している名プロデューサー・アレンジャーです。携わったアーティストの数は、数え切れないほどいます。その中でも僕が普段聴く音楽の中だと、スピッツ、スガシカオや平井堅での彼の作曲・編曲での貢献が挙げられます。具体的な曲名をとしては、スピッツの「ガーベラ」が挙げられます。実際に書籍「旅の途中」には次のような箇所が出てきます。

そうしてまず、シングルのプロデュースをお願いすることになり、「さわって・変わって」と「ガーベラ」のレコーディングとなった。〜(略)〜 「ガーベラ」の”亀デモ”を聴いたとき、

——この人にアルバムもお願いしたい。

とすぐに思うほど、草野のデモを亀田さん流に見事にアレンジしてくれた。

引用:「旅の途中 スピッツ」、幻冬舎、2007年、294ページ

引用中の”亀デモ”とは、亀田さんが作ったデモ音源のことです。ちなみにこの発言をしたのは、ベーシストでバンドのリーダーである田村明浩さんです。

また平井堅さんの楽曲だと、「思いが重なるその前に」「瞳を閉じて」が亀田誠治さんの編曲にあたります。こういったバラードの編曲経験が、東京事変での編曲やサウンドプロデュースに生かされていると思います。

2. コード・和音

この曲は全体を通してCメジャーの曲であり、転調もそこまでないため非常に聴きやすい曲だと思われます。サビもカノン進行で、一歩一歩進む感じが表現されてます。

また転調があるとしても、Bメロで

Bメロ

|Gm→C|F→C|Dm→C|G/B→G/A→G→G/F|G/E→G/F→G|

で近親調であるFに部分的に転調している程度です。

この曲の重要なポイントは、サビ終わりでのサブドミナントマイナー(Fm)の使われ方であります。実際にコード進行を書いてみると、

|C→G|Am→Em|D7→F|G→E7|Am→Am/G|F→Em|Dm|Fm|

切なさを生み出したいという典型的なサブドミナントマイナーの使われ方ですが、そのタイミングが絶妙です。丁度サビ終わりに使われていますが、これは東京事変の他の曲でもよく見られます。例えば「スーパースター」のサビ終わりも、サブドミナントマイナーが使われています。

こうした視点で楽曲を聴いてみると、次第に自分で作りたい曲をかけるようになるかもしれません。

 

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